マイホームを購入する方の多くは、住宅ローンの利用を考えていらっしゃるのではないでしょうか。住宅ローンは借入金額が大きく、返済期間も長期になるため、慎重に検討することが大切です。令和5年に国土交通省が行った調査によると、土地を購入した注文住宅新築世帯の購入資金額は、全国で平均5,811万円となっています。
そこで今回は、5,000万円の住宅ローンを組むと想定し、必要な年収について解説します。
■5000万円の住宅ローンを組むために必要な年収の目安
住宅ローンの申し込みができても、希望した金額を必ずしも借りられるというわけではありません。金融機関が返済を見込めないと思えば、審査に通らない可能性も十分考えられます。
住宅ローンの借入額を算出するうえで、参考となる指標が二つあります。
〇年収倍率
年収倍率は、年収に対する借入額の比率になります。一般的に、借入額の上限は年収の8倍としている金融機関が多く、借入額が5,000万円の場合、年収は625万円となります。
しかし、毎月の返済額や収入減少などのリスクも考慮すると、年収の5倍~7倍程度にすることが望ましいとされています。そのため、借入額が5,000万では、年収715万円~1,000万円が適正となります。
〇返済負担率
返済負担率は年収に対する返済額の割合で、一般的には20~25%程度、理想は20%以内が望ましいといわれています。例として借入額5,000万円で返済期間35年、金利1%とすると、年間返済額は1,693,704円になります。返済負担率は年収1,000万円で約16.94%、年収800万円で約21.17%、年収700万円で約24.20%、年収600万円では約28.23%となります。
返済負担率から考えると年収700万円以上なら返済可能なように思いますが、数値としてはかなり高めなので、年収800万円であればあまり無理せず安心して返済できるでしょう。
ただし、返済負担率は金利や返済期間によって変わるため、住宅ローンの種類によって、年収は同じでも返済負担率に違いが出ます。
年間返済額と収入のバランスを考えながら住宅ローンを選ぶと良いでしょう。
5000万円の住宅ローンを組むためには、年収700万〜900万円が目安となります。
ただし、住宅ローンの審査は年収だけでなく、年齢や勤続年数、過去の借入や滞納などの項目も対象となるので、年収が高くても借入れができないこともあります。また、住宅ローンは返済が長期にわたるため、子どもの進学や定年などライフプランも考慮して無理のない返済計画を立てることが大切です。