ライフスタイルや家族構成の変化、働き方の多様化などさまざまな理由から、今まで住んでいた自宅を売却し新しい住居の購入を考えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで考えたいのが、税金に関する減税措置についてです。主な制度としては、「住宅ローン控除」と「3,000万円控除」があります。この記事では、この2つの制度について解説します。
■「住宅ローン控除」とは
「住宅ローン控除」とは、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合、年末時点の借入金残高の0.7%が所得税から控除される制度です。
控除期間は新築住宅では13年、中古住宅では10年です。国が推進している長期優良住宅や低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅など環境に配慮した住宅は、借入限度額が大きく設定されています。
■「3,000万円控除」とは
自宅を売却し利益が発生した場合、その利益に対し「譲渡所得税」という税金がかかります。譲渡所得税は、所得税と復興特別税、住民税を合算したものです。「3,000万円控除」とは、譲渡所得税の課税対象となる金額から3,000万円を控除できる制度です。
例えば自宅を5,000万円で売却した場合、この金額から取得費や譲渡費用を引いて利益が3,500万円だったとします。3,500万円から3,000万円を控除できるため、残りの500万円が譲渡所得税の課税対象となります。課税税率は自宅の所有年数によって異なりますが、住宅の売却は金額が大きいので、「3,000万円控除」を利用すると大幅な減税が期待できます。
■「住宅ローン控除」と「3,000万円控除」はどちらがお得?
住宅の購入時に利用できる「住宅ローン控除」と、売却時に利用できる「3,000万円控除」はどちらもお得に感じます、しかし、残念ながらこの2つの制度を併用することはできません。そのため、どちらか利用するか選択することになります。どちらを選べば良いかは、自宅の売却額や住宅ローンの借入金額、その他さまざまな要件によっても異なります。
自宅の売却で得た利益が大きければ「3,000万円控除」を利用したほうが良いでしょうし、住宅ローンの借入金額が大きければ「住宅ローン控除」を利用したほうがメリットも多いかもしれません。どちらも比較的算出しやすいので、自分のケースをシミュレーションしてみると良いでしょう。
住宅にかかる金額は大きいため、少しでも抑えたいですよね。「住宅ローン控除」と「3,000万円控除」のどちらの制度も、利用するには要件があり、改正などにより内容が変わることも考えられます。
難しいと感じるときは、不動産会社に相談してみると良いでしょう。