毎年行われる税制改正の中で、2024年度に注目なのは「既存住宅のリフォームに係る特例措置」として、「子育てに対応した住宅へのリフォーム」が対象となったことです。施策の背景には少子化問題を解決するためとして、子育ての負担軽減や子育て世帯の居住環境改善などが挙げられています。
この記事では、特例措置の内容や対象となるリフォームについて解説します。
子育て対応リフォームの特例措置とは?
「既存住宅のリフォームに係る特例措置」として、耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化のリフォームに対し、所得税から一定額を控除する措置はこれまでも行われてきました。こちらは2年間(令和7年12月31日まで)延長され、今年度から新たに「子育て対応リフォーム」まで対象が拡充されました。
内容は、子育て世帯等が既存の住宅に子育て対応のリフォーム行う場合、標準的な工事費用相当額の10%を所得税から控除するというものです。「子育て世帯等」とは、19歳未満の子どもがいる「子育て世帯」だけでなく、夫婦のいずれかが40歳未満の「若者世帯」も対象に含まれています。
対象工事の限度額は250万円、最大控除額は25万円になります。適用期限は令和6年12月31日までですが、令和7年度の税制改正でも同様の措置を検討中とのことです。
子育て対応リフォームの対象となる工事は?
子育てに対応したリフォームの対象となる工事はいくつかあります。
転落防止の手すりの設置など住宅内で子どもの事故を防止するための工事、対面式キッチンへの交換工事、開口部の防犯性を高める工事、収納設備を増設する工事、開口部・界壁・床の防音性を高める工事、可動式間仕切り壁の設置など間取り変更工事(一定のものに限る)となります。
対面式キッチンは子どもを見守りながら家事ができますし、家族が増えたり子どもの成長に伴って物も増えるため、収納設備の増設を望む方も多いのではないでしょうか。安全性や防犯性を高める工事も対象となっているのは嬉しいですね。
出産や子育てで住宅への不満が出てくることは少なくありません。
しかし、リフォームは金額的な負担も大きいため、躊躇している方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の特例措置の拡充は、子育て世帯や若者世帯にとって大きなメリットといえます。特例措置が来年度まで延長されるかは未定のため、早めに検討し上手に活用しましょう。