土地の用途には、さまざまな制限があることをご存知ですか?快適な暮らしを守るため、都市計画法において13種類の用途地域が定められています。その中で最も制限が厳しいのが「第一種低層住居専用地域」です。今回は第一種低層住居専用地域の概要や建てられる建物などについて解説します。
第一種低層住居専用地域とは?
用途地域は13種類あり、住居系、商業系、工業系の3つに大きく分けられます。第一種低層住居専用地域は住居系の一つで、住環境を重視したエリアとなります。さまざまな制限が設けられているため、整った町並みが美しい閑静な住宅街で、日当たりや風通しのよさも確保されています。比較的治安もよいため、暮らしやすい地域といえるでしょう。ただし、その制限のため大きな建物や高い建物、商業施設を建てることはできません。駅から離れていることも多いため、生活するうえでの利便性はあまり感じられないかもしれません。
第一種低層住居専用地域の制限とは?
用途地域にはそれぞれ制限が定められているのですが、第一種低層住居専用地域の主なものは以下の3つです。
建ぺい率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。地域によって異なりますが、第一種低層住居専用地域では30〜60%が多くなっています。例えば、100㎡の土地に建ぺい率50%で建物を建てる場合、建築面積は最大50㎡で、敷地に対してゆったりとした配置になります。
容積率
容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合のことです。こちらも地域や前面道路の幅によって異なりますが、第一種低層住居専用地域では50~200%となっています。例えば、100㎡の土地に容積率100%で建物を建てるなら、最大延床面積は100㎡となります。
絶対高さ制限
建物の高さを制限したもので、低層地域の大きな特徴です。こちらも地域によって異なりますが、第一種低層住居専用地域では10mまたは12mまでとなっています。この制限により、それぞれの建物への日当たりが確保されています。
第一種低層住居専用地域に3階建てが建てられないわけではありませんが、かなり高さの制約が厳しいため、3階建てを建てるなら他の地域をおすすめします。第一種低層住居専用地域には景観のよさや住みやすさなどのメリットもありますが、建てられる建物にかなり制限があり、コンビニエンスストアや飲食店、大きな病院などを建てることはできません。自家用車の有無や利便性なども考慮して検討することが大切です。