祖父母や両親などから不動産を相続したら、早めに「相続登記」を行いましょう。これまでは登記の期限や義務はなかったのですが、2021年の法改正により、2023年から相続登記が義務化されるため、より重要な手続きになるでしょう。相続登記にもいくつかのパターンがあります。自分自身で登記を行う方法もと併せて解説します。
相続登記とは?
「相続登記」とは、不動産を相続した人が、不動産の名義を元の所有者から自分に名義を変更する手続きのことをいいます。相続登記をしなくても住むことなどは問題ないのですが、所有者として登記をすることで、不動産の売却や担保として提供しお金を借りることもできるようになります。また、相続人が複数の場合は、さまざまな問題が生じる可能性もあり、より複雑化するケースも少なくありません。
相続方法は基本3パターン
相続登記は、相続方法によって変わります。基本は次の3パターンになります。
・遺言書による相続
遺言書がある場合は、まず法的な効力のある「公正証書遺言」なのかを確認します。自筆での遺言書などそれ以外の場合は、家庭裁判所での検認が必要となります。生前に自筆の遺言書を預けておくこともでき、その場合は家庭裁判所での検認は必要ありません。遺言書に書かれている内容に異議があっても「相続人全員の同意」がないと認められず、遺言書の内容が優先されます。相続登記の際には、遺言書を添付して申請を行います。
・遺産分割協議による相続
法的に有効な遺言書がなく相続人が複数人いる場合、相続人同士が話し合い、遺産分割の内容を決める方法もあります。話し合いがまとまらず長期化することもありますが、「共有」など複数人で登記を行うと、売却や賃貸をする際も「共有者全員の同意」が必要となるので、思うようにできない可能性もあります。協議の内容を「遺産分割協議書」として作成しておきましょう。
・法定相続による相続
法的な効力のある遺言書がなく相続人が複数人いる場合、または話し合いができない、意見がまとまらない時など、法律で定められた割合で遺産分割する方法です。必ずしも協議は必要ありませんが、「法定相続分の相続」に相続人全員が同意していると、後々のトラブルのリスクを軽減できるでしょう。
相続登記を自分で行うには?
相続登記には必要な書類も多く、たくさんの時間を必要とするため、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的ですが、自分で手続きすることもできます。相続方法によって必要な書類が異なるので、法務局のHPを確認しましょう。登記申請書などの書式もダウンロードすることができます。不動産の所在地を管轄する法務局の窓口にて申請するのですが、郵送やオンラインで行うこともできます。
不動産の相続にはさまざまなパターンがあり、遺言書の検認が必要な場合や、話し合いが長期する可能性もあります。相続したら、できるだけ早く相続登記に動きましょう。