居住用・投資用などで新築分譲マンションや中古マンションを購入する際は、区分所有法についても理解をしておきましょう。区分所有法を知ることで、管理組合の基礎知識を得ることもできます。
ここでは、区分所有法の基本的内容や、策定されるまでの経費について紹介していますので、参考にしてください。
マンションで暮らすうえで「区分所有法」は重要
区分所有法の正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」で、マンション等の建物を区分して所有する権利、そして、建物や敷地の共同管理について定めたものです。分譲マンションに住むとわかりますが、部屋の所有者となっていても、すべての部分を所有できているわけではありません。躯体部分や壁のように、単独所有ができない部分(共用部分)があります。区分所有法は、単独所有できる部分とできない部分を調整したり、建物・敷地を共同管理していく方法等について規定しています。
区分所有法が策定されるまで
①明治31年施行の民法でも存在
明治31年施行の民法でも旧民法208条という形で、区分所有に関する法律が存在していました。しかし、基本的な内容のみで明確ではありませんでした。
②区分所有法の制定
区分所有法が昭和37年に制定され、「区分所有権の対象の明確化」「共用部分の範囲および所有関係」「管理者・管理規約・集会等」の3つが規定された主な点です。しかし、昭和40年以降、マンションが非常に増えたため、制定された区分所有法では対応できない問題が多発しました。
③区分所有法の大改正
マンション急増に伴い多くの問題が発生したため、昭和58年に区分所有法が大改正されました。「専用部分と敷地利用権の一体化」「管理制度の充実」の2つが主な改正内容です。充実した管理制度の内容としては、「管理組合の当然の成立」「多数決主義への転換」「悪質な区分所有者の排除」「特別多数決による建替えの実現」があります。
④平成14年度の改正
平成14年度におこなわれた改正では、主に以下の内容が変わりました。
- ・過半数の賛成で大規模修繕もできる
- ・管理者の権限拡大
- ・規約の適正化
- ・規約や集会に関することが電子化でおこなえる
- ・管理組合法人を作る際の人数要因の撤廃
- ・建替えの決議の要件見直し手続きの整備
- ・団地内の建物の建替えが管理組合議決権4分の3以上で承認
- ・団地内の建物の一括建替えが管理組合の区分所有者および議決権の5分の4以上で承認