
平均寿命や健康寿命が延び“人生100年時代”という言葉も身近に感じられるようになってきました。老後の生活を考えるうえで、家の住み替えを検討する方も多いのではないでしょうか。今回は、老後の住み替えを成功させるためにおさえておきたいポイントや、住まいの選択肢を解説します。
■住み替えを成功させるポイント
「住み替えをしたい」と思っても、何をどうすればいいか悩むかもしれません。そこで、おさえておきたいポイントは以下の通りです。
住み替えたい理由や老後の暮らしをイメージする
まずは住み替えたい理由を考えてみましょう。子どもたちが独立し広い家をもて余している、庭の手入れやメンテナンスが大変、病院や買い物に行くのが苦痛になってきた、など住み替えたい理由はさまざまですが、そこから新しい暮らしが見えてくるはずです。住み替え先を選ぶポイントにもなるので、家族で話し合い意見をまとめておくとよいでしょう
資金計画を立てる
住み替えとはいえ、新しい家を購入するにはかなりの費用がかかります。先述のように人生100と考えれば、老後の生活資金もある程度確保しておかなければなりません。高齢になると、住宅ローンの借入や借入額に制限があることも予想されます。預貯金や退職金を含め、元の家がいくらで売却できるか、引っ越しや諸費用がいくらかかるか、などをしっかりと把握し余裕を持たせた資金計画を立てることが大切です。
■住み替え先の選択肢
次に住み替え先について考えてみましょう。住まいの選択肢はいくつかありますが、それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで決めることが重要です。
マンションへの住み替え
夫婦だけ、もしくは一人暮らしで住む場合、利便性の良いマンションを選ぶケースが増えています。基本的にワンフロアなのでコンパクトな暮らしができ、バリアフリー構造なら高齢者にも安心です。庭の手入れやメンテナンスの必要もなく、防犯設備が整っている物件が多いのもメリットでしょう。しかし、騒音など集合住宅ならではの問題が生じる可能性はあります。管理費などの費用がかかることも頭に入れておきましょう。
シニア向け住宅への住み替え
名前の通りシニア向けにつくられた住宅なので、バリアフリー構造はもちろん、車椅子でも移動しやすい間口や建具、手すりの設置といった高齢者に優しい設計になっています。見守りや生活相談などさまざまなサービスがついていることも多く、周りに同世代の方がたくさんいる心強さも感じられるでしょう。ただし、一般的な物件よりも割高な傾向なので、資金計画を考慮し慎重に検討することが大切です。
戸建への住み替え
退職を機に郊外の戸建へ住み替えるケースも少なくありません。マンションに比べて自由度が高く、低価格で購入しやすいことも魅力の一つでしょう。平屋ならマンション同様にコンパクトな暮らしができますし、交通の便が良いエリアなら日常生活にも困らないかもしれません。防犯面の心配や維持管理の手間がかかる点は否定できません。
シニア世代の住み替えは、老後の生活をより楽しく快適なものにするための手段の一つです。しかし、金銭面はもちろん、身体的にも負担がかかることもあります。不安に感じる方は、専門家である不動産会社に相談しましょう。