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民法改正に伴う不動産取引の影響⑦ 賃貸 賃料当然減額

民法が改正されることで、これまでは賃料減額請求が必要だったのが、請求が不要な当然減額へと変わります。

これは、貸借人・賃貸人どちらにとっても大きな変化です。

地震などの自然災害で建物の一部が滅失した場合や設備が故障した際の対応方法も変わってきます。

民法の改正前と改正後でどのような違いがあるのか、しっかりと把握をしておきましょう。

現行民法

現行民法では、地震などの自然災害で建物の一部が滅失した場合にのみ、貸借人は賃貸人に対して賃料減額請求ができると定められています。

たとえば、家賃10万円で住んでいる賃貸アパートが、自然災害などで一部が滅失した場合に賃貸人に対して賃料の減額請求が可能です。

あくまでも、貸借人から賃貸人に請求をし初めて減額されるものになります。

そのため、減額請求をしなければ、一部滅失になっても賃料が変わることがない可能性もあります。

民法改正後は「賃料当然減額」へ

改正前は一部滅失した場合に減額請求ができましたが、改正後は「建物の一部が滅失、その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合」に減額できるようになります。

改正前と比べると、減額の対象範囲が広くなっています。

たとえば、貸借人の過失によるものでない場合は、設備の故障なども減額対象となる可能性があります。

改正後に変わった点は減額の対象範囲だけではありません。

改正前は減額の請求が必要でしたが、改正後は請求が不要の当然減額に変わっています。

これにより、貸借人は賃貸人に請求をしなくても、当然に賃料の減額を受けることが可能です。

賃料当然減額の問題点

これまで以上に貸借人に有利となる賃料当然減額。

賃貸人の場合は気をつけなければいけません。

なぜなら、賃料減額となるような問題が生じていても、賃貸人と争いはしたくないという気持ちから、貸借人が退去時まで問題を内緒にしておく可能性も考えられます。

退去時に「実は、1年前から●●が故障していて使えなかった。月1万円の賃料減額相当だと思うので、12万円を返してほしい」など請求されるかもしれません。

また、家賃が前払いの場合は過払い、事後払いの場合は支払い拒否などの問題も出てくる可能性があります。

このような問題に備え、契約書上で貸借人に通知義務を課すようにしましょう。

そうすれば、すぐに通知しなかった場合、通知以前の減額を認めなくてよくなるためです。