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2020年に施行される新民法によって、賃貸の保証人についても大きく変化があります。

具体的には、極度額設定に関するものです。

不動産取引をするうえで、知っていないと必ず困る部分になりますので、改正内容について見ていきましょう。

民法改正で極度額の設定が必要に

民法が改正されることで、連帯保証人が負担する金額の上限が変わってきます。

民法改正前と改正後でどのような違いがあり、負担する金額の上限がどう変わるのか確認していきましょう。

これまでの連帯保証人は保証金額の上限がなかった

民法改正に伴い、連帯保証人が保証する金額に上限が設けられるようになります。

これまでは、友人の連帯保証人になって、その友人が夜逃げなどをすれば、連帯保証人は驚くような金額の滞納家賃や原状回復費用などを支払わなくてはいけませんでした。

なぜなら、賃貸借契約で家賃滞納が発生した場合、家賃が支払われない限り、滞納額は増得続けるからです。

そのため、連帯保証人に請求がいく頃には、高額になっているケースがほとんどです。

極端な話、借主が5年分の家賃を滞納していた場合は5年分を、10年分の家賃を滞納していた場合は10年分を支払う必要がありました。

民法改正後は極度額が設定が必要

連帯保証人が青天井の金額負担を強いられるのを防ぐために、民法改正後には極度額の設定が必要になります。

たとえば、事前に「極度額は家賃1年分」と決めるなどです。

仮に借主が3年分の家賃を滞納していたとしても、連帯保証人が請求される金額は家賃1年分となります。

極度額の設定は連帯保証人にとって、万が一の際の負担額に上限があるため、非常にメリットが大きい改正内容にも思えます。

しかし、保証すべき金額が明らかになることで、連帯保証人になることを躊躇する人もたくさん出てくるでしょう。

連帯保証人へのなり手が少なくなれば、家賃保証会社が連帯保証人の代わりを担うことになります。

そうなると、入居審査が厳しくなったり、家賃滞納時の対応がきつくなるでしょう。

また、管理会社や不動産会社からすれば、極度額が設定されることは、3年分の家賃滞納があっても連帯保証人に上限額までしか請求できないなど、資金回収が難しくなるデメリットがあります。

今回の、極度額の設定は、「借主」「貸主」「家賃保証会社」など、それぞれの立場によってメリット・デメリットが大きく変わる内容となっています。