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民法改正に伴う不動産取引の影響⑧ 賃貸 将来債権の譲渡

120年ぶりに改正された新しい民法で、将来債権譲渡が新設されます。

民法改正によって、瑕疵担保責任や買主の法的手段、情報提供義務など、他にも多くの点がこれまでとは大きく変わります。

将来債権譲渡も、これまでの民法では規定されていない内容であり、不動産取引の契約のあり方を変える内容の1つでもあります。

ここでは、民法改正に伴う不動産取引への影響として、将来債権の譲渡について見ていきましょう。

将来債権譲渡の新設

2020年4月1日から施行される新民法によって、将来債権譲渡が新設されます。

将来債権譲渡とは、債権譲渡に関わるものです。

将来債権の譲渡がどのような内容なのか確認していきましょう。

将来発生予定の債権を譲渡するもの

将来債権の譲渡とは、その名の通り、将来発生予定の債権を他人に譲渡することです。

将来債権が譲渡できることは、現行の民法では規定がありません。

しかし、これまで規定はありませんでしたが、実務上は認められる判例(平成11年1月29日)が出ていましたし、登記についても「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」によって可能でした。

そこで、今回の民法改正によって、新民法では「債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることは要しない」と認められ、規定されました。

将来債権の譲渡は、たとえば、銀行からの融資を受けてアパートを建てたオーナーが、お金が足りなくなり、銀行に借り入れを申し出たとします。しかし、抵当権がいっぱいで借りられない場合に、将来貸借人から入る予定の賃料を譲渡できるという制度です。

5年分の賃料や10年分の賃料を、将来債権として譲渡することができるようになります。

将来債権の譲渡可能な範囲は解釈に委ねられる

民法改正によって新設された将来債権の譲渡ですが、譲渡可能な範囲は改正内容に盛り込まれていません。譲渡可能な範囲は解釈に委ねられることになります。

そのため、譲渡可能な範囲が広がりすぎて、債務者や債権者にとってマイナスになることも危惧されています。

債権譲渡に関する規定 対抗要件や抗弁の切断

債権譲渡に関する債務者の対抗要件(467条)は、通知か承諾で、第三者対抗要件については確定日付のある通知か承諾となっています。

また、抗弁の切断(468条)については、現行から変わり、異議をとどめない承諾が廃止されました相殺の抗弁については、特別の規定が置かれていることも、現行民法から変更があった点です。